魔女の旅々

2022.06.012023.04.03

自分の世界にはないものを

あらすじ

　イレイナは『ニケの冒険譚』を読み、魔女になって旅をする夢を抱く。試験に合格し、あとは他の魔女に弟子入りして一人前になるだけなのに、どの魔女からも門前払い。遂に怪しげな「星屑の魔女」に弟子入りを頼むことにする。

　アニメは1話完結で、イレイナが旅先で訪れた国での人との出会いと別れが描かれます。

　物語には、ハッピーエンドとバッドエンドが待っています。どのような結末になるのか。

　本作の主人公。年齢は大体18歳前後。平和国ロベッタ史上最年少の15歳という若さで魔法使い最高位「魔女」となった天才少女で、髪の色から『灰の魔女』という魔女名（二つ名）を持つ。

　幼い頃に読んだ「ニケの冒険譚」に登場する主人公ニケに憧れ、旅をする魔女を志す。軽率な行動を取りトラブルに巻き込まれる事が多々ある。

そんな魔女イレイナが紡ぐ、出逢いと別れの物語…。

アニメのネタバレを含みますのでご注意ください。一つ例を挙げます。

これから紹介する物語は、特に心に突き刺さった作品です。

　イレイナが、以下のような回想を踏まえ、この二人の物語に深みを生みます。

「そういえば、昔読んだ本で、動けなくなった奥さんに旦那さんが外の世界を魔法で見せてあげたけど、その後、奥さんは…（画面にナイフが映る）」

　イレイナは、旅立ってしまいその後、使用人がどうなったのかはわかりませんが、世界に、自分の置かれている現状に絶望してしまったと仮定して考えていきます。

ここで、少年の軽はずみの考えと行動で、少女を絶望させてしまうことになります。
少女を救うためには、どうしたらよかったのか？変わらぬ不憫な現実を突きつけた少年に罪はないのか？アニメを見て考察してみてください！

　主人公のイレイナが毎話いろんな国を旅して、そこでの出来事を本にしていくというのが基本的な物語の構成。

作中世界が中世ファンタジー風です。剣と魔法の世界でありがちな設定ですが、国によっては近代的な発展をしていることで、風景や、背景に変化があり楽しむことができます。

　イレイナは、旅をしながら、物語の傍観者であろうとしますが、トラブルに巻き込まれる体質であるがゆえに、力を貸してあげることも。しかし、運命には逆らわずに事の成り行きをどんな結末になろうが認めて、その国を旅立ちます。

サバサバしている主人公は、物語を決して邪魔しません。「キノの旅」を連想させるような作品構成。