ONE PIECE

人として大切なこと

あらすじ

　主人公モンキー・D・ルフィが「ひとつなぎの大秘宝ワンピース」を手に入れ、海賊王を目指すストーリーです。

　海賊シャンクスに影響を受け、海賊になることを決意したルフィ。村を去るシャンクスから麦わら帽子を託され、立派な海賊になって再会することを約束しました。その10年後、17歳になったルフィはフーシャ村を旅立ち、仲間を集めながら「ひとつなぎの大秘宝」を探す冒険に出ました。

　ONE PIECEの最大の魅力は、緻密に練られた壮大なストーリであり、幾重にも散りばめられた伏線が見事に回収されていくところにあります。

　20年以上の連載となると、いくつものストーリーの軌道修正やそれによる矛盾点などがみられますが、この作品にはそれが全くありません。

　キャラ同士の相関、出来事の時間軸、世界の歴史など、これらがきちんと麦わらの一味の冒険を軸に世界の謎に近づく感覚は鳥肌ものです。

　性別、肌の色、見た目、価値観など、一人として同じ人間はいないけれど、人間なら同じ感情である、友情、愛情、絆、他者を思いやる気持ち、感謝の気持ち、を必ず作中の冒険ストーリーの根底に織り交ぜていることで、いい意味で、感動の押し売りにあいます。

　戦争、水不足、人種差別、宗教、信仰の軋轢、人身売買、魔女狩り、薬物依存などである。人類にとって過去から今までずっと克服できていないある種永遠の課題を、作品の世界観にあわせうまく表現しています。

　ワンピースには悪魔の実という珍アイテムが出てきます。その実を食べることで超能力的な力を得ることができる食べ物です。

　しかし、悪魔の実には「食べると泳げなくなる」という副作用があるのもとても良いところです。

　海賊にとって、海で泳げなくなるのは致命的です。また、海楼石と呼ばれる海と同じエネルギーを発し、悪魔の実の能力者が海に落ちた時と同じ状態になります。

また、覇気を使った攻撃であれば、悪魔の実の能力者にダメージを与えることができます。

ワンピースは、悪魔の実の能力者との戦闘格差を大きくしない設定がバランス良くされているところが、戦闘シーンの見どころにも花を咲かせます。

　ちなみに主人公のモンキー・D・ルフィだと『ゴムゴムの実』を食べ全身ゴム人間になります。

悪魔の実の効果にはキャラの異質性が強まります。